君と話せるのは、
放送室でのちょっとの時間。



その時間が私は好きだった。




でもあの日はあいにく、他の子達もいて、ヘタレな私は話しかけることなんかできなかった。




ただ君と並んでたっている。


ただそれだけのことに、
必要以上に心臓がどきどきして。





周りのみんなの声が聞こえないようで、
ほんとにあの頃私には君しか見えてなかったんだね。

「ねぇ。」


私にしか聞こえない位の声で囁かれた君の言葉にびっくりして、横を向いたら、


無口な君がそっとみんなに気づかれないように手紙を差し出してくれたね。




嬉しすぎて、喉がつかえて、

お礼の一つも言えなかった。





早く読みたいな。
それだけをずっと考えながらひとときの幸せを感じた。