「あ、うん!ありがと!いってくる!」



そういって、あたしは大きな花束を片手に、体育館へと駆けだした。




あとからちゃんと、藤青野球部も来る予定。


一足先にあたしが向かう。





__相原先輩に告白するために。







「___卒業生代表。相原青っ!」



体育館前を通った時、ふと聞こえた相原先輩を呼ぶ先生の声。


あ、そういえば……



__『青がさ、俺らの代表で答辞読むんだよ……。青、ぜってぇなんかやらかしそう……』



そうキャプテンが、ため息混じりで真帆に言っていたのを思い出す。



あたしは相原先輩の答辞の内容が気になって壁に張り付いて耳を澄ませた。




「俺たち、359人は今この藤青を旅立ちます。……って。こんな堅苦しいこと言うのやめたっ!」



ええぇ!?


や、やめったって……どうよ。


あたしはいてもたってもいられなくて、そっと体育館のドアを少しあけて中を覗き込む。