夏休み。
学校で、バスケ部の練習試合をやるって聞いて美羽と応援しにいった。
「あ、ほら!和泉くんいるよ!」
「ちょ、美羽!声大きいよっ」
コートで、走り回ってる和泉くんは
素人目からみても、ずば抜けて上手で
キラキラしてた。
「ほら!ちひろ応援しよ!」
「えぇっ!恥ずかしいからいいよ。」
「そんなこと言ってると他の子に負けちゃうよ。和泉くんモテるんだから。ほら、今日きてる女子全員和泉くんがんばれって叫んでるよ!」
なんか、他の部員さんかわいそう…。
「名前叫んだって色んな人が居るし
ちひろだってわかんないかもよ?」
そ、だよね…
わかるわけないよね。
「和泉くん、がんばれ…っ!」
他の子に比べたら
全然小さい声だったけど
こんな風にいつか
気持ちを、伝えたいって思った。
ピーッ
「試合終了ー!32対66で、赤の勝ち!」
「やったぁ!ちひろ、圧勝だよ!やったね!」
「うん!」
今日、これてよかった。
新しい、和泉くんの一面をみれて嬉しかった。
「いやー、かっこよかったね。」
「うん、美羽付き合ってくれてありがとう。」
「いえいえ、可愛いちひろちゃんの為ならば。ってか、この後どうする?なんか、食べ行く?」
「あ、いいね!いきた…
「高橋っ!!!」
え……?
呼ばれた方を振り返ると
和泉くんが、居た。
