ゆたと私は、いつも一緒だった。

遊ぶのも笑うのも一緒ならば、怒られるのも一緒。


フローラル広瀬の店頭に、頭のもげたチューリップが並んだ時には、さすがにキリキリに絞られたっけ。


ゆたは大泣きして、私はメソメソと泣いていた。


親指姫の話を読んでたら、どうしてもチューリップを手に入れたくなったんだ。


私がゆたに命令して、お店から一つちぎってこさせたら、絶妙なタイミングでおばちゃんに見つかって。


それは、まさに鬼の顔だった。




ああ、思い出は尽きない。


キャンディのように甘い思い出なんて、一つもないけどさ。