『な、なんだよ。日向』

じっと影山を見てると
少し顔を、赤くして影山が
そっぽを向く。

『あっ、おい。なんで
顔逸らすんだよ‼︎』

影山の前にばっと出て顔を
逸らさないように覗き込む。

『おーい、影山?熱あんの?』

背伸びして影山のおでこに
手を当てる。

『ん〜熱はないっか。
疲れたのか?遅くまで
練習付き合わせてごめんな…』

語尾が少しずつ弱くなりながら
俺は俯く。
影山に負担かけてばっかりだ…
何も上手く出来ないし、
俺ダメダメじゃん…。
なんか悔しいかも。
目頭がぐっと熱くなる。

『おい、日向離せよ。バ…』

影山の声が耳に入る頃には
俺の目から大粒の涙が零れ落ちてた。

ぐすっ、ぐす…

『日向、…日向?』

影山の心配してるような
優しい声。
『日向、どうした?』
影山が好きで好きで
影山に近づきたくて
隣にいたくて強くなりたいのに…
涙は全然止まらなくて
ぼろぼろ、ぼろぼろ落ちてくる。

『日向、ほらタオル。拭けよ』
目の前に差し出された
スポーツタオルで涙を拭く。
柔軟剤と、安心できる影山の
優しい香りがふわっと感じる。

『影山の匂いがする…』(ポツリ。)
心の声が思わず漏れてしまった。
慌てて誤魔化そうとアタフタしてたら
全身をすっぽり包まれた。

『あんま、恥ずかしいこと
言うなよ…バカ日向。///』

影山が抱きしめる力を
少し強くした。
『あと、その顔であんまり
まじまじと見んなよ。…照れんだろ』
俺の肩に影山が顔を埋める。