ニヤリとした笑いで、ウィリス君は将を見ると。
それから、どこかへ携帯で連絡をした。
何だろう・・・?
将は、私の手を握っているから前ほど、不機嫌な顔をしていないけれど。
暫くして、個室のドアがノックされた。
すると、ウィリス君が間髪入れずに。
「どうぞ、入って下さい!」
と、日本語でドアに向かって言葉を発した。
って、え?
日本語?
ってことは、日本人?
不思議に思って、ドアを見つめていたら。
40過ぎくらいの日本人女性が部屋に入ってきた。
ウィリス君のスタッフの多分スタイリストさんだと思うけど、が立ち上がって彼女に笑顔で歩み寄った。
抱きあい、久しぶりの挨拶を英語で交わしている。
知り合いか?
でも、何で彼女が将の三番目の嫌がらせになるんだ?
不思議に思って、隣の将を見た。
え?
将は、彼女を見つめたまま固まっている。
そして、ウィリス君が一言。
「なつかしいだろ?ミスターセノ。ミセス絵美・マクレガー。昔のマネージャーさんだろ?実はさ、うちのスタイリストのエバと彼女大学の同級生で、親友なんだって。」
え。
将の昔のマネージャーさん…?
その言葉に俯く彼女を見て、漠然と将とどういう関係だったか予想がついた。

