ただひとつ、気に入らんのは、俺のことしらんらしい。
って将君のこともか!?
夕真ちゃんはしっとるみたいやけど、ここにきてサインねだる人間初めて見たし。
ぷ。
おもろいなー。
他のサロンメンバーのそう思ったらしく、将君に質問の嵐や。
俺は、将君に大きな借りがあるし。
珍しく、本物の友情も感じとる。
だから。
「将君、俺、将君達が結婚するときは、俺が披露宴の司会無料でしたるわー。」
そう言うと、はにかんだ顔で、将君が嬉しそうにほほ笑んだから。
レアすぎて、笑える前に。
ため息がでた。
ホンマ惚れてるんやな…。
本物の恋ができたんや。
俺は嬉しくなった。
だけど、その後暫くして。
夕真ちゃんが菊弥先生に怒鳴り散らす声が聞こえ、菊弥先生が泣きながら夕真ちゃんにすがりつく事態となった。
理由をきいて、別の意味で大きなため息が出たのは、俺だけじゃなかった。
その日、サロンメンバー全員から、菊弥先生に批難が寄せられたのは当然のことだった。
まあ、そんなこともありながら、将君たちの結婚式は明日だ。
披露宴はまだ先だが、めっちゃ嬉しい。
前夜祭でこれからグランドヒロセ銀座で飲み会だしー、今夜も楽しむでー。

