護が喫煙室に向かったあと、事務所の扉が勢いよく開いた。 「乙姫はおるか!」 息を切らせながら、紺のスーツを着た小太りの男が現れた。 「乙姫社長なら只今出かけていますが…失礼ですがどなたですか?」 圭吾が応対する。