16時過ぎに依頼人は現れた。 扉を開けたのは、若い女性。 20代前半くらいだろうか…背中まである艶のある黒髪を一つに束ね、きっちりとリクルートスーツを着ていた。 肌は色白で顔は小さく、全体的に大人しそうなイメージだ。 「あの…遅れてすみません、 予約した東つぐみ (あずまつぐみ)です」 「大丈夫ですよ、お待ちしてました、どうぞこちらに」 祐司は営業スマイルで、彼女を他の別室に案内する。