柔らかい君


骨折していない左手で晴汰の頭をそっと撫でる。

「晴汰…お願いだから…

いじわるしないで、
それ以上意地悪されたらあたし泣いちゃうよ?」

「……」

いつだって、意地悪だけはしなかったのに…

なんでこんな時に…

「起きろ馬鹿、馬鹿馬鹿馬鹿…
なんで、あたしなんかをかばったんだよ…

自分もっと大事にしてよ…

晴汰がいないとあたし…
なんにもできないんだよ…」

奇跡が起きてくれればいいのに…

本気でそう思ったのはこの日からだった。