柔らかい君


俺と望が最初に会ったのはたぶん赤ん坊の時。

母ちゃんと望のおばさんが仲いいからたぶん双子みたいに育てられたんだと思う。


でも、俺は物心ついた時から望が好きだった。


ーーーーー

「ハルー、猫がいるー」

望はちっちゃいとき俺をハルと呼んでいて

「のん、待ってよ…」

俺は望をのんと呼んでいた。

「ハル、家で猫飼えないかな?」

「僕んち、金魚いるから食べられちゃうよ…」

「のんもロクいるからダメだ…」

ロクはマリモの前に飼ってた犬。
でっかい柴犬だった。

「でも、この猫さんかわいそーだよ」

のんは寂しそうに呟いて猫の目線に合わせるようにしゃがんだ。

にゃー…にゃー…

子猫だからか鳴く声はか細くてすぐに壊れちゃいそうだった。

「ハル…」

のんは泣きそうな顔して衰弱した猫を抱きながら僕を見る。

僕はそんなのんからの視線にダメとは言えなかった。

「お母さんに言ってみる」

「うん」

ぱぁ!と笑顔になって、勢い良く立ち上がった。

僕、のんのこの笑顔大好きだ。