「とにかく、落ち着け遥。恭弥のことはもう思い出さなくていいから。大丈夫だから、あいつにはもう会う機会ないはずだろ?」
うん。
涼ちゃんの言うとおり。
もう、会う機会はない。
だから関係ない。
私の世界には干渉されるはずはないのだ。
わかってる。
わかってる、けど。
頭の中がぐちゃぐちゃでどうしていいかわからないの。
「苦しいよ。思い出したく……なかったよ」
私の心をかき乱して止まない彼は、鈴木恭弥。
私が一番最初に付き合った人。
私が始めて本気で好きになった人。
恭弥のことは小学校の頃から好きだったような気がする。
同じクラブに入っていて仲良くなって。
恭弥の体調が悪るくなった時。私が保健室に連れて行って、『側にいて』って言われた。その言葉に、私が守ってあげなきゃって思ったことを覚えてる。
中学に入って、お節介な友達を介して両想いだって知って付き合うことになった。
子供すぎて付き合うなんて漠然としたイメージでしかなかったけど、ただ恭弥も私を好きで居てくれるってことが嬉しかった。
