ベッドに横たわると襲ってくるのは心地よい安心感。
「眠い……」
だんだんまぶたが重くなってきて、目を閉じる。
空調の効いた保健室はなんて気持ちがいいんだろう。
ぬるい微睡みに身を任せる。
『……が好きだよ。嫌いになんてなれるわけない』
『俺も好きだから』
『わがままでごめん。でも、大好きなの』
『わかってるよ』
『一番の理解者がいなくなるのはやっぱり辛いな』
(本当は別れたくないよ)
『やっぱり寂しいよ』
(でも、あなたのそばにいると私は私じゃなくなる。それが苦しいの)
『別れたくないよ』
(私だって別れたくなんてない)
『俺のこと嫌いになった?』
(大好きに決まってる)
『理解者は私じゃなくてもいっぱい見つかるよ。だからもう、さよならしよう』
(ごめんね、恭弥……)
「……か、遥!!」
