でも私はそんなに強くなかったんだ。
だから『もう恭弥と付き合うのはやめろ』って涼ちゃんの言葉に従った。
泣いてばかりいる私を見兼ねて言ってくれた涼ちゃんの優しさに、甘えた。
本当にずるいと思う。
でも、苦しさから不安から解放されるにはそれ以外方法が思いつかなくて。
だから、私はまた逃げた。
恭弥から。
でも、この時の恭弥は簡単にうんとは頷いてくれなくて。
何度も『別れたくない』って言ってくれた。
嬉しかったけど、でも。
その時の私にはなにもかもが苦しくて。
押し切って恭弥と別れた。
その時、もう恋愛なんてしないって決めた。
苦しいから、悲しいから。
気持ちに振り回されるのはもうごめんだって思ったから。
