俺の名前は、城島蒼(ジョウシマアオイ)。

女っぽい名前だとは思うが、れっきとした男だ。



この可愛らしい名前と漢字のせいか、保育園、小学校、中学と俺はいじられ続けた。


もともと気性の荒かった性格だったから、俺はそのたびに馬鹿にしてくる奴を撃破していった。

その影響か、中学最後には馬鹿にしてくる奴は愚か、話しかけてくる奴もいなかった。


俺が自分の名前を嫌っていると思っているのか、名前で読んでくる奴もいない。






ただ一人をのぞいては。







「蒼~!!」





後ろから聞き慣れた俺を呼ぶ声が聞こえた。



俺は柄にもなく胸をたからなせると振り向いた。





案の定、そこには俺の幼なじみ――そらが桜の散る十字路で、ヘラヘラとした笑顔で手をブンブン振っていた。


俺が手を軽く振り返すと、ポテポテ?トコトコ?いや、フワフワが一番似合うであろう歩き方で、俺の元へ駆け寄ってくる。
小動物を思わせるその姿に、頬が自然と緩んだ。