自分で適当に作った朝食を食べて、亡くなったおじいちゃんの部屋の前に立つ。

「よし…」

引き戸を開け、中に入った。

もう何年も使ってない筈なのに、部屋は綺麗だった。ホコリ一つない。

手前の安楽椅子には柔らかそうなクッションが置いてあり、奥の机には万年筆が1本だけ立てられたペン立てと、ガラスでできた時計が置いてある。
ベッドはホテルの様に片付いていた。

毎日おばあちゃんが掃除しているのだろう。
綺麗だけど、この部屋に生活臭はまるでなかった。