ヴァンタン・二十歳の誕生日

 『パパが行方不明になった日、確かに屋根裏部屋にあったよ』
私の言葉を聞いてパパは思わず頷いた。


『そうか……あの日、その鏡から反射した満月の光がきっと魔法の鏡に入ったんだ。だからキャプテンバッドは此処に居るのか』


パパは確かにそう言った。


(ねえ、パパ……どうして置いてきた合わせ鏡が屋根裏部屋にあったのかな?)
答など出る訳がない。
それでも私は思いを巡らせた。


(ねえパパ……その片割れを何でパパが持っていたの? ねえパパ……もしかしたら、三っつの鏡は繋がっているの? そうでなきゃ、パパのセリフは有り得ないよ。ねえパパ……今すぐ此処に来て答えを教えて!!)




 頭の中は混乱してる。
無い知恵を絞って、それでも一生懸命に考えた。


(合わせ鏡のもう一方はパパが持っていて……イヤ二つ持って屋根裏部屋に行ったのか? 最初の手鏡も、本物の魔法の鏡だったのかも知れない)

そうでなきゃ、パパが持ち帰って来るはずがなかった……のかも知れない。


(だけど私はその鏡が不満で、放置してしまたのだ。だからパパは私を喜ばせようとして、今度は大きい魔法の鏡を探し当てたんだ。でも私はそれを怖かった。だってあの鏡は、私を写し出したままで動かないんだもん。だからパパは私を助けようとして、あの屋根裏部屋にやって来たんだ)


そして、満月とキャプテンバッドによって引き込まれたのかも知れない。




 (きっと、満月とコラボして……合わせ鏡に映した私の顔と、魔法の鏡に絵のように写し出された魔法の鏡にインプットされたのではないのだろうか? キャプテンバッドはその時を待っていたのか?)




 キャプテンバッドは、パパに探させた鏡の中にパパと私を閉じ込めるために……公海上に現れたのかも知れない。


(もしかしたら合わせ鏡の方にキャプテンバッドが取り憑いていて……あの幽霊船をパパに探させたのかも知れない。そして魔法の鏡を屋根裏部屋へと移動させたんだ)




 きっとあの手鏡に写し出された私の中にエイミー姉さんを感じて、私が生まれ変わりだと信じなのかも知れない。


(チビの私では、まだ役不足だったのか? だから二十歳まで待っていたのかも知れない。でも私が此処に来た時、確かに二人を写し出していた……。そうだ。確かに魔法の鏡に入る前に二人が写し出されたいたんだ)