その時ハーフパンツの中で携帯電話が鳴った。
と言うか……
振るえながら微かに唸っている。
(そうだマナーモードにしておいたんだ……。えっ嘘!? そんな馬鹿な……)
私はただ呆然としていた。
私何も考えられなくなっていた。
(此処は十年前じゃないの? 何故十年後のガラケーにかかってくるの?)
怖さが躊躇いを誘発する。それでも私は携帯のカバーをそっと開けた。
それは雅からのメールだった。
『ウチの兄知らない?』
(何だ!? ウチの兄? ……って雅に兄弟が居たの? あっ確かフェンシングの会場で……)
『此処には居ないよ』
とりあえずそう返した。
(雅にお兄さん!? 本当にそんな人居たかな?)
私は本当はまだ納得していなかったのだ。
(フェンシング?)
私はさっきの太刀の構えを思い出していた。
(私フェンシングでもやっていたのかな?)
ふとそう思った。
もう一度太刀を構えてみる。
(やはり……様になっている)
私は自分に自分ではない何かを感じ始めていた。
甲板に戻り耳を澄ませてみた。
微かだけど音がしたように感じたのだ。
と言うか……
振るえながら微かに唸っている。
(そうだマナーモードにしておいたんだ……。えっ嘘!? そんな馬鹿な……)
私はただ呆然としていた。
私何も考えられなくなっていた。
(此処は十年前じゃないの? 何故十年後のガラケーにかかってくるの?)
怖さが躊躇いを誘発する。それでも私は携帯のカバーをそっと開けた。
それは雅からのメールだった。
『ウチの兄知らない?』
(何だ!? ウチの兄? ……って雅に兄弟が居たの? あっ確かフェンシングの会場で……)
『此処には居ないよ』
とりあえずそう返した。
(雅にお兄さん!? 本当にそんな人居たかな?)
私は本当はまだ納得していなかったのだ。
(フェンシング?)
私はさっきの太刀の構えを思い出していた。
(私フェンシングでもやっていたのかな?)
ふとそう思った。
もう一度太刀を構えてみる。
(やはり……様になっている)
私は自分に自分ではない何かを感じ始めていた。
甲板に戻り耳を澄ませてみた。
微かだけど音がしたように感じたのだ。


