「家も隣で部屋も近くて中2まではベランダでお互いの部屋行き来してたぐらい仲良かったのに…今はあんなことになっちゃったよー」
泉はそれを見てケラケラと笑う。
笑い事じゃないのにーっ。
でも泉なりに気をつかってくれているんだと思う…
サバサバしててなんでも言葉にしちゃって美人なのにそれを鼻にかけないってとこもすごく好き。
「あ!いけない!パン買いに食堂までダッシュ!!」
そう言うと私も連れて廊下へ飛び出した。
その時琢磨の隣を駆け抜けて行った。
それだけなのに心臓がうるさい
「よかったーー!最後の1個だったよ!」
嬉しそうにパンを見ながら喜ぶ姿は
無邪気なちっちゃい子供みたいだった。
そんな泉に見とれていたら前の人とぶつかってしまった。
「うはっ。ごめんなさい…」
身長が琢磨よりも高くて顔が整っている。大人っぽい顔立ちだから2年か3年生かな…
顔が整っていても、目つきが鋭くちょっと怖い。
「ねぇ、何組のコ?」
その先輩の隣を通ろうとしようとした時、いきなり質問がきては驚いた。
同い年に思われちゃったのかな…?
「えーと、私1年生ですっ…」

