どうか届いてくれるといい

 オレの気持ちが

 「奥田くん。ありがとう。気持ちは
  嬉しいけど、私好きな人がいるの」

 「もしかして和田くんの言ってた
  あの人のこと?」

 「あは。どこからその情報バレてん
  だろ。まあそーだけど」

 「誰だかは・・?」

 「うん。井口泰幸」

 「井口・・っ」

 井口泰幸(いぐちやすゆき)俺らと
 同い年で県でもトップにいる男

 先輩たちを片っ端からなぎ倒して
 市中で優勝した、うちの中学の
 ライバル

 そういやアイツもパラソンだった

 「そっか・・井口じゃ勝てねえな」

 「でも両想いじゃないと思う」

 ----っはあ?
 両想いじゃないぃぃぃぃ?!

 「どーゆーこと!それ!」

 「だって向こうの気持ちわかんないし
  お互い卓球で忙しすぎてヤスにその
  気持ちないのはわかるよ」

 どうやら茉奈さんは井口のことヤスと
 呼んでるらしい

 茉奈さんが泣き笑いのような顔で言う

 「でもあきらめらんないの。ゴメンね」

 茉奈さんの言葉を聞いてオレは
 走り出してた