ただしイケメンにかぎる。

この間まで付き合えだの、結婚したいだの言ってたくせに…

なんだか力が抜けてぼんやりしてきた。

仕事にも身が入らなくて、パソコンをぼけーっと眺めてた。

「あの!」
「…はい?」

花房君に手を掴まれてた女の子…

ふわふわの茶色い髪にくりくりの瞳。

整った鼻筋にぷっくりした唇。

可愛らしい今時の女の子。

…誰かに似てる…?

「咲子さん…ですか?」
「…?」

なんだろ…

花房君の彼女は私なのよ!とか?

花房君に近づかないで!とか?

花房君のことどう思ってんのよ!とか?

…どう思ってるんだろう、私。

「あたし、花房の妹です!」
「え?あー!蓮水君の!」
「蓮水さん?え、蓮水さんもここでバイトしてたんだ…」

急に赤い顔になった花房妹。

まだ…付き合いたてなのかしら。

可愛いなぁなんて思いながら見てたら、今度はシャキッとした顔になって口を開いた。

「あの、うちの兄ちゃん、ダサいしヘタレですけど、悪い奴じゃないんで。」
「なっ!ばか!お前余計なこと言わなくていーんだよ!」

また花房君に手を引っ張られて自動ドアの外へと出されて行った。

透明なガラスの向こうから私に笑顔で手を振ってくれた。

確かに、笑顔は花房君に似てるかもな…

私は手を振り返した。