ただしイケメンにかぎる。

生徒が全員帰って行くのをベテラン講師の瀬戸先生と見送って戸締りの支度をする。

「咲ちゃん、飲みにでも行くか?」
「何言ってるんですか!奥さん待ってますよー?」

なーんておじさんをあしらう方が、今の私には向いている。

鍵を閉めて瀬戸先生と別れた。

駅に向かう途中で花房君を見つけた。

「咲子さん!送りますよ」
「いいわよ、1人で帰るの慣れてるし」
「俺が嫌なんです」

好きにすれば!なんて言ってもどうせついてくるし、私は放っておくことにした。

私よりおそらく20センチくらい高いだろうか。

可愛い顔してても男の子なんだなーって実感する。

「蓮水君、いい人できたみたいね」
「だから俺らも付き合おう?」
「なんでそうなるのよ…」

こんなに可愛い顔してたら女の子に苦労することないでしょうに…

私が花房君だったら絶対遊びまくるに違いない!

なんてよからぬ妄想を繰り広げてた。

「何?悪い顔…」
「なっ!失礼ね、何処かの誰かさんと違ってこんな顔なのよ」
「え?顔は認めてくれてるってこと?」
「女顔よね。羨ましい」

大きな目を細くして笑う。

顔はタイプ。それは認める。

「蓮水ね、俺の妹と付き合ってんの」
「えー?そうなの?妹さん、似てる?」
「あーうん。よく似てるって言われるかも。」
「そうなんだ…蓮水君…何だか複雑ね」
「何が?あー!また変な想像してるんでしょ?」
「な!違うわよ!」

当たりだった。

だってね、友達と同じ顔の彼女って…

ねぇ?