「蓮水さん…」
「あ、ごめん。その…どうかした?」

そうだよね。

いつもなら真っ先に兄ちゃんの部屋に行ってたもんね。

「ちょっと…ね。」

あなたのことがわからなくて悩んでます。

なんて言えない。

俯いてた顔をあげると、切ない顔であたしを見ていた。
なんて色っぽいんだろう…
心臓の音が聞こえてきた。

「悠里ちゃん…好きなやつとかいるの?」
「っ!」

蓮水さんに抱きしめられてる…

あれ?蓮水さんて、こんないい匂いしてたっけ…?

抱きしめられるのってこんなに気持ち良かったっけ…?

「俺、悠里ちゃんが好きだよ」

蓮水さんの告白に、身体が熱くなるのがわかった。

「ゲームで遊ぶのも楽しいけど、一緒に居るだけでなんか…顔緩んじゃうってゆーか…友達の妹だし、ダメなんだろうなーって言い聞かせても、もう無理だ…」

あたしより年上のイケメン蓮水が…なんか可愛いこと言ってる…

「悠里ちゃん可愛いしさ、高校にいい奴いるかも知れないんだけど…」

とっくにフられてるんだよなー…

「俺じゃダメかな…?」
「…蓮水さん?」
「ん?」
「兄ちゃんは?」
「え?あぁ、コンビニ行ってる。」
「お母さんは?」
「買い物?俺、留守番頼まれてて…」
「そっか。」

あたしはイケメン蓮水の背中に手を回して抱きついた。

ヤスの背中とは違う、一方的な思いじゃない温もり。

「蓮水さん?」
「ん?」
「今日はあたしの部屋で遊ぶ?」







おわり