「俺さ、麻子みたいなタイプ周りにいないからなんか面白いんだよね」
「っ…や、ちょっ…近いよ、片桐君…」

近づいてきた片桐君は私の目の前に立って私の顔を覗き込みながら言った。

「そーゆーとこ。もっと意地悪したくなる。」

俯いてた顔を少しあげてみる。

な、なんだこのイケメンは…

イタズラそうな笑顔で私を見ていた。

返事ができなくてただ話を聞いているだけの私。

そんな私を見てか、クスッと笑って私の頬を人差し指でツンとした。

「覚悟しててね、麻子」

全身の体温が上昇して行くのがわかった。

夕暮れ時のオレンジ色に染まる空き教室。

おかげで私の赤い顔は夕陽のせいにできたかな?

ただただ動けないまま、時が過ぎて行くようだった。






おわり