あたしだけ・・・
こんなにどきどきして
・・・辛い・・・

そんな辛さが・・・
昨夜の思考を蘇らせる。

『あたしが王女じゃなければ・・・』
-王女じゃなければ、
 他国に行っても身分を気にされない。

-王女じゃなければ、
 姫と言って距離感を
 感じさせられる事もない

-王女じゃなければ、
 いつもと違う仕事の彼をみて
 心が遠いなんて感じない
-王女じゃなければ、
 いつも一緒に居れる。
-王女じゃなければ、
 彼は彼の夢を実現できて、
 あたしはそれを応援できる・・・
-王女じゃなければ・・・・

-王女じゃなければ・・・・
-王女じゃ・・・
 ・・・・・・なければ・・・・

そんな心が
ぽろりと生み出した言葉は・・・

「セルヴァン・・・逃げよう」

だった。