別冊 当て馬ならし

基本的に父は強い
・・・うんざりするぐらい・・・
護衛が守るのか、
護衛を守ってるのか
分からない時がある。

他国でもし山賊に襲われたなら、
馬車から素早く飛び降り、
誰よりも最初に一太刀を浴びせる。

ファルゴア王の馬車には
近づくなという
暗黙の了解があるとかないとか、
このあたりも最強伝説進行中の
お父さんらしい。

なので、ほとんどの護衛は
私の方についている。

その中に、
大きな鎚を背負い
心臓だけを守る胸当てをつけ
金属の籠手に足当てに垂れという
比較的軽装と思われる
装備を付けたセルヴァンがいた。

馬車へのエスコートを
してくれるセルヴァン
なんだか戦闘態勢のその姿が
いつもに増して男らしくて
・・・くらくらする。