セルヴァンは私を庇うように
魔物の群れに対峙する。

あたしたちを追いかけてきた、
犬の顔をした低い背丈の魔物が
十数体。

その後ろからゆっくりと
巨体を揺らしながら
長い舌で舌なめずりをしながら
近づいてくる緑の肌の
巨人が見える。

なんとかここまで走って来たけど、
さすがに私を抱えて走るセルヴァンは
犬顔の魔物を振り切れるほど
早くは走れなかった。

目の前に岩の壁が見える。
行き止まり・・・
・・・迫りくる魔物・・・

あたしは、ひたすらセルヴァンの肩に
しがみ付いた。