別冊 当て馬ならし

空を飛ぶ・・・
私だけの夜色の天馬
離れたくないよ・・・
空にいる間、
私はずっと彼の首筋に顔を埋めていた。

あっという間に終わってしまった
空中散歩。

私の部屋のベランダに降り立つ・・・
彼が私を下ろそうとするけど
・・・私は首を振った。
優しくため息をついて彼は、
私をベッドまで連れて行く。

無言の私達。
夜色の衣装を着た二人・・・
月明かりだけがお互いの輪郭を
浮き上がらせる

あとは・・・闇に溶けて
・・・そのまま一つになってしまいそうだ。