私達がピコランダを立ったのは、
慰労パーティーの翌日という
慌ただしさだった。

魔法便でベルにファルゴアから
緊急帰還の便りが届いたのだった。

なんでも、近隣の国に
盗賊団が出没し
荒らしまわっていたそうだ。
その盗賊団の一部が
ファルゴアへ逃げて来たので、
それを捕まえて、しかる後
隣国に引き渡す事になったのだという。

ここで、お母様が
ファルゴアへの悪意を摘むために
力を使う事になるので、
引き渡しの際に同行するらしい。

それで、留守居の為に
ベルへの帰還が命ぜられた。

私の状況次第で
なるべく早く帰還してほしい
という事だった。

基本、平和なファルゴアに
めったにない危機的状況だ。

そう・・・これぐらいで
危機的状況な我が国・・・
その辺りの危機の規模も
ピコランダとは雲泥の差のような気がする。

そして、まったくもって目が覚めてから
元気な私も、ピコランダに残る理由もなく・・・
帰還の途に就いたわけなのだった。