送信ボタンを押すとき、少し指が震えた。
送信画面を眺めているとき、緊張した。
返事くれるかな、とか
あんな文章で良かったかな、とか。
メモリの『澤村彰』をしばらく眺めていた。
特に何があるわけでもないが、気を紛らわせたかった。
好きな人からのメールを待つのは、こんなにも苦しいのか。
こんなにも緊張するのか。
中学に入ってからは、恋なんてしなかった。
男子ともあまり話さなくなったし、ずっと部活一筋だった。
自分でも、それが一番いいと思っていた。
だから、こんな感情があるのなら、恋なんてしたくないとは思うけど、
嬉しいことは何倍も嬉しくなるから、どんどん好きになっていく。
だから失ったときが、すごく辛いんだろう。
あたしはこの恋を失いたくない。
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