あのとき、メールするって言ってたのに。
遊ぶ暇があるんだから忙しいとかじゃないよね。
でも、携帯取り上げられてるとか…
夜中になるまでそんな事を考えていると、携帯から流行りの曲が流れて、メールを受信した事を知らせた。
今までこの音に、何度も期待した。
でも、澤村からのものではなかった。
今回だって期待してもしょうがない。
あたしは何も考えず、知らないアドレスからのメールを開いた。
『こんな時間にごめん
起きてた?
メールするって言ったのに遅れてごめんな』
それは、澤村からだった。
絵文字も顔文字もない、簡潔な文章。
でも、気を使っているのがわかる。
すぐに『澤村彰』と登録し、返信画面に切り替えた。
何て返そうかな…
やっぱり絵文字はあった方がいいよね?
あ…でも澤村は絵文字使わない人だし…
顔文字の方がいいかな…
それとも何もつけないのがいいのかな…
最初から長文だと微妙だから、澤村と同じくらいにしよう。
考えに考えて、打ったのがこれだ。
『起きてたよ♪
平気だよ!』
…微妙。
一言で言うと、微妙。
決していいメールではないが、こんなのしか考えられなかった。
とりあえず送信することにした。
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