「アヤ、お疲れ」

アヤと呼ばれた彼女、三谷アヤは、メンバーと帰っている途中、後ろからの声に少し驚き、すぐに振り返った。

「なんだ、玲か!」

「なんだってなんだよ!失礼だなっ」

そこには、何かと絡んでくるが仲良くしている永瀬玲がいた。

「なんでこんな時間にこんなとこにいんの?」

時間は午後8時半すぎ。
こんな時間に学校のすぐそばを玲がうろついているのは凄く珍しい。
というか、有り得ない。

ただでさえ学校をよくサボる奴だ。
学校のそばにいること自体が珍しい。

「…いやーまあ、…ね。なんでもないよ。ちょっとした用事ー」

言葉を濁した玲を怪しく思い、すぐにお決まりのセリフ。

「男か。」

玲の少し焦った様子からしてビンゴだろう。
わかりやすい奴だ。


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