「よっ」
突然声をかけられて、しばらく言葉がでてこなかった。
「……」
それが澤村だったから。
早く何か言わないと。
せっかく話しかけてくれたのに。
何か、何か、何か―――
「ょ…よっ」
「よっ」って!「よっ」って何だよあたし!
しかも微妙にかんじゃったし!
恥ずかしー…
「玲に聞いたよな?」
「へっ?」
とっさに何のことかわからなくて、変な声を出してしまい、すぐに口をふさいだ。
「アドのこと」
「あぁ!うん!」
「今日メールすっから」
彼はそう言ってニッコリ微笑むと、自分の教室に入って行った。
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