―――――暑い暑い、中学2年目の夏。
「アヤっ!」
バスケットボールのダンダンというリズミカルな音。
キュッキュッとシューズが床にすれる音が体育館に響く。
ヒュッと音をたてて真っ直ぐに空を切るように飛ぶボールは、長細い腕に吸い込まれるように捕らえられる。
そのまま誰も寄せ付けずゴールまで走り一瞬でシュートを決めた。
それと同時に甲高い機械音が鳴り、試合終了を告げる。
「やったぁぁあ!!」
青いユニフォームをまとった少女たちは歓声をあげ、4番と背中に書かれている一際背の高い少女に飛びついた。
「アヤナイスっ!」
「お前のおかげだよ!最後のシュートがなかったらうちら負けてたよっ」
「さすがキャプテンっ」
「お疲れ様です!」
「みんなお疲れ!今日凄く良かったよー!!」
キャプテンと呼ばれた彼女は、すぐに笑みを浮かべ言った。
.


