さよならは突然で
心の整理がつけられない




君の頑張る姿が好きで
どんな嫌なことがあっても
一番にあたしを考えてくれてたね

「不器用だからうまく
いつも伝えられなくてごめんね」
口数が少ないあなたが
照れながら言ってくれた。

春にはベタに桜を見に行って
夏には浴衣着てりんご飴食べて
秋には二人で初めて温泉に行って
冬にはお洒落な店でディナーしたね

仕事終わりに急いで
会いに来てくれたことも
悩んで落ち込んでたのに
笑い飛ばしてくれたことも
些細な事で喧嘩して
二人素直になれない日も

いつもあなたがいたから
あたしは乗り越えられたことも
たくさんあったんだって
あなたを失って気づいたの

君の好きだったロングの巻髪も
子供みたいにふりふりした服も
君が隣に居てくれなかったら
意味をなさないこと、分かってた

だからね
あたし挑戦をしてみるよ
色を落としてゆるふわな髪型に
OLさんみたいな
淡い色のカーディガン着て
ヒールをパンプスに変えて

隣にあなたがいないことに
なれなきゃいけないから
あなたといた思い出を
プラスに変えたいの

だからね
新しいあたしをいつか街角で
見つけたら
「手放さなきゃ良かった」なんて
思わないで?

「あいつ頑張ってるんだな」って
少しだけ笑っていてください

またあなたの優しさに甘えて
生きていくのは
もうやめたいから

大好きでした
あなたの頑張る姿も
ニコニコする笑顔も
あたしを思って怒ってくれたのも

愛を感じていました


あなたは昔言ったよね
「俺は口下手だから…」
あたしだって口下手だから
うまく伝えられなかったんだ


でもね
あなたに会えて
あたしはよく笑うようになりました

笑顔が周りを幸せにすること
努力してれば必ず叶うこと
それはあなたが教えてくれたことだから


少し肌寒い10月に
あたしはまた前を向いて歩き始めた


どこかで頑張るあなたに負けないように。