「でも、まだ梨乃ちゃんが好きなら、 なんで私にそんなこと……。」 「椎乃が、 “私を梨乃ちゃんだと思ってくれてもいい” って、そういってくれたじゃないか。 梨乃…、なんだろ?」 「ねぇ、恭朶くん、頭、おかしくなっちゃった? 椎乃ちゃんは、梨乃じゃない。 椎乃ちゃんは、椎乃ちゃんなんだよ?」 ことがそういう。 確かに私はそういった。 でも、私は梨乃ちゃんなんかじゃない。 梨乃ちゃんにはなれっこない。