あの日以来、母は笑顔を見せなくなった。

父は、母を励まし、頑張っているようにみえる。
だけど、毎晩、みんなが眠ったあとに泣いているのを知っている。

恭朶には、まだ何もいっていない。

病気のことを言ったら、離れていきそうで怖い。


「ねぇ、恭朶。」


「ん?」