そして、いよいよ、梨乃の名前が呼ばれるときがきた。


「中西梨乃。」


「はい。」


椎乃は代わりに返事をして、
梨乃の写真を持って、卒業証書をもらいにいった。


椎乃がそこに立つと、すすり泣く人が出てくる。

ほんとは、私が泣きたいくらいだ。
でも、目にたまった涙を流すのは我慢した。