今にも雨が降り出しそうな空、少しだけ落ちてしまった気分のまま、重いドアを開けた。

ふわっとドアの向こうから冷気が来るのを感じる。


……涼しい。
このまま汗がひいてくれたらいいな。


なんて思いながら、4階まで階段をのぼる。


まだ出原くんの姿はない。

今日はいつもより来るのが早かったからかな。