そんな俺の小さな願いも儚く消えていくこととなる出来事があった。 別の日、石野さんが友達に恥ずかしそうに話しているところを見かけた。 直感的に好きな人の話をしているのだろうと思った。 盗み聞きをするわけじゃないけど、気になっているからか自然と会話が耳に入ってくる。 俺は確信した。 あの“いではら”は出原なのだと。