先生の“時間になりました。やめてください。”という教室に響き渡る声も耳に入ってこないくらいに、この数時間前の出来事はわたしの頭の中を出原くんでいっぱいにさせた。



志望校調査…


特に夢もなくて、行きたい学校なんてあまり考えたことがなかった。


特に決まっていないから普通科に行っておけばいいだろうとは思っていたくらいであった。



出原くんはどこを書いてるんだろう。



気になって横目でちらっと見てしまった。


志望校調査の紙が視界に入ってくる。



東高。


わたしが住んでいる地域では結構有名な進学校である県立高校。


ふとわたしも東高に行きたいなと思った。


彼と同じ学校へ行きたい。


そう思った。