老人がエレベーターに乗り込むところまで、竜太郎はずっと見送っていた。
あの老人がこの世界では実態のないものだとは、竜太郎には全然ピンと来ない。
しかしながら、自分にはあの老人が見える“資格”があってよかったな、とホッと胸をなで下ろすのであった。



あ、そうだ、考えなきゃ。
“三間坂”を別読みして並べ替えるんだったな。

単純に別読みすると“みまさか”か。
これを並べ替えてみると…

みかまさ?

みかさま?

かみさま?

…なるほど、神様か!



まったく下らん言葉遊びだな、と竜太郎は思わず苦笑する。