「・・・はい、ありがとうございます。行ってきます」
テイよく追い払われた弟を、兄はにやにや笑いながら見送った。
玄関のドアが閉まる音を確認してから、アルが話を続けた。
「本当のことを言いますと、
私は彼女に依頼を取り下げてほしかったのです。
二十歳と言ってもまだまだ中身は子供ですから、
死んだ恋人に再会して、必ずしも良い結果が得られるとは限りません。
よけいに未練が募って、悲しみが深くなるかもしれないし、
何か悪い話を聞かされて、ショックを受けるかもしれません。
それで、彼女の決心がどれほど固いものか確かめたいと思い、
わざと無茶な代償を要求しました」
「どんなことを?」
「ええと・・・一晩だけ私の妻になってくれと」
口にしてから、さすがにアルも照れた。
「まあああ・・・」
夫人は少女のように両手で口元をおおい、アルと一緒になって照れた。
「・・・やるわねえ、アルちゃん」
彼女から見ると、アルもセイもたいして変わらないようだ。
テイよく追い払われた弟を、兄はにやにや笑いながら見送った。
玄関のドアが閉まる音を確認してから、アルが話を続けた。
「本当のことを言いますと、
私は彼女に依頼を取り下げてほしかったのです。
二十歳と言ってもまだまだ中身は子供ですから、
死んだ恋人に再会して、必ずしも良い結果が得られるとは限りません。
よけいに未練が募って、悲しみが深くなるかもしれないし、
何か悪い話を聞かされて、ショックを受けるかもしれません。
それで、彼女の決心がどれほど固いものか確かめたいと思い、
わざと無茶な代償を要求しました」
「どんなことを?」
「ええと・・・一晩だけ私の妻になってくれと」
口にしてから、さすがにアルも照れた。
「まあああ・・・」
夫人は少女のように両手で口元をおおい、アルと一緒になって照れた。
「・・・やるわねえ、アルちゃん」
彼女から見ると、アルもセイもたいして変わらないようだ。
