逢わせ屋~美形霊媒師に恋をして~

「いただきまあす」

夏海の前では大人ぶってみせるセイだが、
篠塚夫人の前では子供っぽさ全開だな、とアルは思う。

美味しそうに菓子をほおばるセイを、にこやかに眺めたあと、
篠塚夫人はあらためてアルに頭を下げた。

「その節は、お世話になりました。

せっかく、あなたのおかげで亡くなった主人に遺産の預け先を
聞くことができたのに、遺産の大半を親戚にむしりとられた上に、
莫大な相続税の支払請求が来て、一時はどうなるかと思いました。

あの時、お支払いした報酬をあなたからそっくり
返していただいただかなかったら、私は今頃どうなっていたか・・・」

「でも遺産が出てきたことで、ご親戚のかたとの関係が
悪くなってしまって、嫌な思いをされたことでしょう。

私は夢で篠塚さんとご主人を逢わせたことが、
良かったのか悪かったのか、わからなくなってしまいました」

「あの人たちの本性がわかって、良かったと思っています」

麦茶のグラスを持ち上げて、夫人は言葉をつづけた。