逢わせ屋~美形霊媒師に恋をして~

カレーの皿が空になったころ、手前の車線にバスが現れた。
アルが夏海を迎えに来たのだろう。

「ヒロくん、わたしあと一回だけ、ここに来れるの。
もう一度、逢ってくれる?」 

「もちろん、俺だって逢いたいよ。
それまで、黒いバスには乗らずに待ってる」

「次が、最後になるのね」

大翔は彼女の体を強く抱きしめた。

「ごめんな、こんなことになって」

バスが停留所に着いた。ドアが開いて、アルが降りてきた。

「アルさんと相談して、近いうちにまた来るね」

「うん、ありがとう」

二人は立ち上がり、並んでアルのほうへ歩いていった。

「アルさん、ヒロくんは自分で言ってくれました。
あちらのバスに乗るって」

「よく決心しましたね」

アルに言われて、大翔は照れ臭そうに笑った。

「俺、夏海を泣かせてしまって、そのうえ後まで
追わせそうになって・・・。
反省してます」

今日のふたりの様子を見て、アルは内心ほっとした。

もう大丈夫だ。
どちらも、それぞれの行くべき道を行ってくれるに違いない。