逢わせ屋~美形霊媒師に恋をして~

奥の厨房へ入ると、前に見たのと同じコンロの上に、
同じカレーの大鍋が乗っている。

夏海は食器棚から二人分の皿を出すと、二升は炊けそうな
炊飯ジャーのふたを開け、温かいご飯をよそった。
そのあいだに

「どこかに、福神漬けがあったはずなんだけど」

と、大翔が冷蔵庫の中をのぞく。

こうして二人で食事の準備をしていると、
まるで新婚夫婦のような気がしてきた。
大盛りと小盛のカレーライスが仲良く調理台の上に
並んでいるのを見て、夏海は

――本当ならヒロ君の田舎で、こんなふうに
過ごしていたかもしれないのに。

と思わずにはいられない。

「さ、できた!表に行って、海を見ながら食べよう」

二人がそれぞれの皿を持って厨房から出ようとしたとき、

「チウ」

と鳴き声がして、大翔の足元をなにか小さな生き物が走った。

「ぎゃあっ」

動揺した彼が、思わず手に持っていた皿を落とした。

ガチャン!と音がして皿が割れ、カレーが床に飛び散る。