「でも、きょうは夏海がちゃんと学校に来てくれて安心したよ~。
まだまだ辛いと思うけど、少しずつでも元気になってね」

「ありがとう」

力なく答える夏海の様子を見て、菜々子は思い切ったように尋ねた。

「あのさ、もし死んだヒロくんに逢えるとしたら・・・逢ってみたい?」

「そりゃ逢いたいけど。でも、そんなこと絶対無理だもん」

菜々子は周囲を見回して人がいないのを確認すると、
それでも声をひそめて、信じられないような話をした。

「あたし、子供のころ、亡くなった母に
逢わせてもらったことがあるんだ」

「え?」

夏海は驚いて親友の顔を見た。