逢わせ屋~美形霊媒師に恋をして~

「ここへ来て、夫婦として過ごしていただきます。私とふたりきりで」

夏海の表情がこわばった。

「あの、家事をすればいいのですか?」

「家事だけですむと思っているのですか?」

彼女の心臓が、急に早鐘のように打ち始める。

「あの・・・それは、つまり・・・」

「つまり?なんです?」

アルは夏海の反応を楽しむように、彼女の顔を覗き込んでいる。

「つまり、その、・・・ベッドを共にするということですか?」

「世間の常識では、夫婦は当然、ベッドを共にするものです」

夏海は赤くなってうつむいた。そのまま顔を上げることができない。

「どうしました?あなたは失って怖いものなどないのでしょう?」

「でも、それは・・・」

ふふふ、とアルは笑いながら椅子の背ににもたれた。
古びた椅子がぎしっと音を立てる。

「いやなら、いいのですよ。依頼はなかったことにさせていただきます」

「そんな・・・」