逢わせ屋~美形霊媒師に恋をして~

「そうかもしれませんが・・・。

でもわたし、ヒロ君が死んでからずっと、
彼が何を言おうとしていたのか、そればかり気になって、
何も手につきません。
あの日からずっと時間が止まってしまったようで。

いい話でも悪い話でも、とにかく彼の口からはっきり聞いてみたい。
そうすれば少しは気持ちに区切りがついて、
自分が前向きになれると思うんです」

アルはあらためて夏海の姿を見つめた。

長い髪を束ねたシュシュ以外、アクセサリーらしきものは
一つも身につけていない。
生成り色のリネンのワンピースが、幼さの残る顔によく
似合っている。

薄化粧でも十分に可愛い顔つきだが、心なしかまぶたが腫れて、
頬も少しこけているようだ。

大切な恋人を突然失ってから、
毎日のように泣き続けていたのだろう。
食事も睡眠も、ろくにとれていないのではないか。

可愛い女子大生のために、一肌脱いでやりたいが
もう少し決心の固さを確かめてみたい。

「わかりました。では、お引き受けしましょう」

「本当に?ありがとうございます」

深く頭を下げて、初めて夏海が笑顔を見せた。
泣き笑いのぐしゃぐしゃの顔だが。