逢わせ屋~美形霊媒師に恋をして~

「私には桐生大翔という一つ年上の恋人がいました。
ちょっと子供っぽいところもありましたが、優しい人で、
わたしのことをとっても大切にしてくれて・・・。

でも今年の七月、大学の水泳部の合宿中に事故に遭い、
突然逝ってしまいました。合宿最後の日、打ち上げで
缶ビールを飲んだ後、酔って海に入って溺れたそうです」

パタパタと音をたてて、涙の粒が彼女の膝の上に落ちた。

「合宿に出発する前、ヒロくんは私に大切な話があると
言っていました。合宿から帰ってきたらゆっくり話すと」

「彼はその大切な話をしないまま、亡くなってしまったのですね」

「はい」

夏海はハンカチを取り出して涙をぬぐった。

「どんな話だったのか、夏海さんに心当たりはありますか?」

「それは・・・」

彼女は一瞬ためらったが、思い切ったように打ち明けた。

「プロポーズだったと思います。彼は来年、大学を卒業したら
田舎へ帰って実家の農業を手伝うと言っていました。
離れ離れになってしまう前に、将来のことを
約束しようとしてくれたんだと思います」